完璧主義サラさんが、苦悩を解決するまで

【完璧主義サラさんが、苦悩を解決するまで】

完璧主義のサラさんの苦悩を解決するまでの物語です。

サラさんの苦悩とは、毎日、必死にミスがないように頑張っていることでした。

「あれって、ちゃんとしたよね!」

「そうだ、さっきのは大丈夫かな?」

毎日、毎日、心の中でつぶやいています。

ミスがないように必死に点検して、人の何倍も頑張るのがサラさん。

だから疲れが半端ない。

それでもこんな風にしか、頑張れないから仕方がなかった。

そんなある日のことでした。

「あー!!やらかした!」

「何でミスをしちゃったんだろう。」

「私って、なんてバカなの!」

ひどく落ち込みました。

そして、追い打ちをかけるように、自分を責め続ける。

「もう2度と、同じ間違いを犯さないようにしなきゃ!」

「これはした!・・あれもした!・・」

指さし点検。

何度も確認しないと、不安でたまらなくなってしまったのです。

「そこまでしなくて大丈夫だよ。」

見かねた同僚が心配して声をかけてくれました。

それなのに、サラさんの心は落ち着きません。

「もうミスをしたくない・・。」

「また失敗するのが怖い。」

そして、気をつければ気をつけるほど、ミスは続いてしまいました。

 

【つらい体験で心に傷を負いました】

 

子供の頃のサラさんは、どっちかと言うと、のんびり屋さんでした。

では、いつから完璧主義になったのかというと、思春期以降。

気がつくと、学校で1人ぼっちになっていました。

 

そう、イジメです。

このときのつらい体験で、心に傷を負いました。

幸い、親やスクールカウンセラーの助けで、何とか乗り越えることができたのです。

その後、卒業し、就職もできました。

乗り越えたように見えたけど、「ちゃんとしなきゃ!」が備わりました。

なぜだかわかりますか?

サラさんの場合、気がつくと「ひとりぼっち」になっていたからです。

「きっと私が悪いんだ。」

「気が利かないからかな?」

「私、ちゃんとしていないから嫌われたのかな?」

自分を責めてしまったのです。

 

「もう二度とあんな目に遭いたくない。」

「気をつけなきゃ!」

過去のつらい体験は、過剰な防衛を引き起こす。

「ちゃんとしなきゃ!」

「頑張らないと!」

つらい体験で心に傷を負い、生きるための工夫は生まれました。

 

【つらい体験から生まれた工夫のステップアップ】

つらい体験から生まれた工夫は、役に立ちます。

けれどもステップアップが必要です。

なぜなら、身につけた、生きる工夫は手放せなくなるからです。

お守りみたいなモノ。

役に立つけれど、応用しないと適応できなくなるのはなぜか?

理由は、常に状況は変化するからです。

ですから、ステップアップが必要となってきます。

「ちゃんとしなきゃ!のステップアップか~。」

「いったいどうする?」

「そうだ!ちゃんとしなきゃ!を限定的に使うのってのはどう?」

「あれ?私って仕事中、何でもかんでも、ちゃんとしなきゃ!だな。」

「いつも、やることで頭の中がいっぱい。」

「だから余裕なんてない。」

「どれも大事だけど、優先順位をつけてみよう。」

「これと、あれと、それと、あのこと・・・」

 

サラさんは、「ちゃんとしなきゃ!」発動場面を想い浮かべて、書き出してみました。

「今は、ミスしたことだけに限定して取り組もう!」

 

いざ、出勤したら、いつもの癖が出てしまいました。

「今日はこれだけに集中!」

そう言って、何度も仕切り直して頑張りました。

「ちょっと戸惑うけど、不思議とラクだった!」

「ほんとは全部、完璧にちゃんとしたいけど・・。」

「ミスもしなかった。」

「なんでかな~?」

「そうか!他のことは、いったん脇に置いたのがよかったのかな?」

「ただ、こなすことがいいなんて不思議。」

サラさんは、納得してないのに、うまくいく体験ができました。

「何だか、気持ちに余裕が生まれたのかもしれない!」

「先週まで悪循環に陥っていたのが嘘のよう。」

「ちゃんとしなきゃ!も大事なことだけど、過ぎるとマイナスなのね。」

こうやって、生きるスキルを限定的に活用する。

これがステップアップした活用方法でした。

【窮地に陥ったときに身につけたスキルは極端になりがち】

トラウマティックな体験や、心に傷を負ったときには、一時的に、極端な発想や行動が役に立つことがあります。

これが生きるためのスキル。

しかし、極端な発想や行動は、偏っていることが多いのです。

緊急事態だけにしないと身が持たない。

それなのに、自分を救ったスキルは後生大事に持ち歩きたくなるもの。

常用すると疲弊するから不都合が生じる。

ですから、どん底から回復してきたら、出番を減らすとうまくのです。

 

そして、サラさんの場合、「ちゃんとしなきゃ!」が、のんびり屋さんをカバーした。

もともとの素質はのんびり屋さん。

完璧主義で頑張り屋さんだけでは、自分らしさが損なわれてしまいます。

まるで陰と陽のように、反対側を体験したようなもの。

両側を体験できたら、次は、中間を体験してくことでバランスが取れます。

そうすれば、色々な側面が活かされていく。

心のバランスが取れると心が自由になれるのです。

「のんびり屋さんの私。」

「ちゃんとしなきゃ!頑張る私。」

「どっちの私も、自分で選択できると、心は楽なんだね!」

窮地に陥ったときに身につけたスキルは極端になりがち。

ですから、このスキルは特別なときに活用したらいいのです。

そして、本来の私も尊重してあげる。

そうすることで、私らしく生きられました。

完璧主義サラさんが、苦悩を解決するまでの物語はいかがでしたでしょうか?

【物語の終わりに】

人の心は傷つくと、無意識に防衛本能が発動します。

気がつかないうちに、極端なスキルとなって備わることがあるのです。

もしも、頑張っているのに報われないと感じたら、一度、見直してみてください。

◆あなたのお困りごとは何ですか?

◆お困りごとに関わる、あなたのスキル(習慣、癖、思考、態度)は、何ですか?

◆それらは、今、役に立っていますか?

◆役に立っている場面は?

◆役に立ったとき、どの程度、発揮したときですか?

◆今よりも、限定的に活用したら、変わりそうですか?

窮地に身につけた生きるスキルは役立ちます。

けれども乱用しないことが大切です。

上手に使えば、きっとお困りごとを解決できるでしょう。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

 

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